活動レポート2023年10月期

竹富島地域自然資産財団の環境保全活動をピックアップして紹介します。

2023年10月13日

竹富島キエーロプロジェクト開始

現在、財団では港ゴミの分別をはじめ観光にまつわるゴミ問題の解決に向けて活動を続けていますが、竹富島では一般家庭のゴミについても課題をかかえています。そのうちの大きな一つが“生ごみ”です。

島には焼却炉が1つしかない関係もあり、生ごみを燃やすごみとして処理できないため、設置されているコンポストに持っていくか、家の畑などに埋める家庭がほとんどです。しかし、設置されているコンポストは運用が行き届いておらず臭いも気になるため、なかなか思うように活用できていないのが実状です。


そうした背景もあり、今回、竹富町頑張る地域応援プロジェクトの一環として、島の婦人会を中心に、財団からキエーロのモニター配布を実施しました!キエーロとは、土の中のバクテリアを利用して生ごみを分解させる、生ごみ処理容器のことを言います。使用方法は、キエーロ容器の中に土を入れ、その中に生ごみや油などを入れ、日々土の手入れを行うというシンプルなものです。モニター配布を行うにあたり講座を開催し、使用方法や運用しやすくするためのポイントなどを説明しました。年内には、モニターの報告会も実施し島内全体への普及を目指します。スタートしたばかりですが「竹富島キエーロプロジェクト」を皮切りに、竹富島も生ごみを捨てない循環する島に近づけるよう、継続的にサポートしていきたいと思います。

2023年10月7日

御嶽の森の植生調査を実施


竹富島には、計28の御嶽が存在します。今回、自然環境保全事業の一環として、自然環境の変化を理解し整理するため、財団として初めて御嶽の森の植生調査を行いました。ムーヤマと呼ばれる六山御嶽を中心に、計8か所の調査を実施。ゲストには、琉球大学農学部の陳先生をお招きし、フクギをはじめ植生分類や状態についてモニタリングを行いました。

調査の結果、複数の木々でシロアリが活動していること、竹富最大のテリハボクにカジュマルが寄生していること、沖縄県絶滅危惧II類(VU)に分類されている「リュウキュウチシャノキ」の自生を確認できたこと、島のフクギは手入れが行き届いており健全なものが多いことなど、良い点も悪い点も目視することができました。

今後、島民の意思に専門家の意見もふまえながら、今回浮上した問題解決を進めるとともに、100年後につながる長期的な保全に向け、定期的な調査を継続していく予定です。

【注意】
御嶽は聖域のため、一般の方の立ち入りは禁止されています。島の文化と信仰を守るため、ご協力お願いいたします。