竹富島は、琉球列島の最南端八重山郡に属し、石垣市の南西に点在する16の島々(竹富町:有人島9つ、無人島7つ)のうちのひとつです。島の面積は5.41k㎡、外周は9kmほどの平坦で楕円形の小さな島です。島全域と周辺海域は西表石垣国立公園に指定されています。

島の中心からやや北西よりに3つの集落(東集落、西集落、仲筋集落)がまとまって位置しており、およそ350人の人々が暮らしています。その周りを樹林地、農地、保安林、砂浜、イノー(サンゴ環礁内側の浅瀬)、ピー(サンゴ環礁)が順序よく同心円状に取り囲み、その外側に外界が広がるかたちの特徴的な構造をしています。また亜熱帯性の気候のもとにあり、両機サンゴ礁の石灰岩からなる低島で、岩石が多く、水が少ないのが特徴です。

島では助け合いの精神「うつぐみの心」を大切にし、伝統文化を守る島ぐるみの取り組みによって伝承や信仰が色濃く残っています。また町並みもよく保存されて、石垣とフクギに囲まれた赤瓦の民家、サンゴ礁の白砂を敷いた道路など昔ながらの集落景観をとどめており、島の一部は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

昭和61年(1986年)には、島民による島を守るための「竹富島憲章」が制定され、集落の風土、形や習慣、生活文化をきちんと保存し、未来につないでいくという活動を島全体で取り組み続けています。