活動レポート2020年6月期

竹富島地域自然資産財団の環境保全活動をピックアップして紹介します。

2020年6月18日

耕作放棄地の除草

先日収穫を行った粟の畑とその周辺で、残った株と雑草を刈り取る作業を実施しました。新たな作物を植えるための準備のひとつとして、草刈機にて根元から刈り取り。しばらく天日で乾燥させてから燃やすことで、昔ながらの肥料である草木灰(そうもくばい)を作成します。苦土石灰や石灰と同じように土の酸度を中和するだけでなく、カリウムとリン酸の補給が可能になる伝統的な耕作方法。その後、追肥をしつつ耕運機にて耕すことで次の作物を植える準備が整います。

2020年6月16日

バラアサガオの駆除

今年3月に調査をしていた外来種のバラアサガオ。ウッドローズとも呼ばれるメソアメリカを原産地とするツル性植物は、その成長の早さと生命力の強さで森全体を覆い尽くして枯らしてしまうという恐れがあるもので、今回は御嶽の森を覆うバラアサガオの駆除を実施しました。古くから神様の場所として必要以上に手を加えることなく保存されてきた御嶽の森は、もっとも竹富らしい自然環境を残している場所のひとつ。そんな貴重な森が、外来植物であるバラアサガオによって脅かされている現状を打開する活動です。

まずは御嶽の近くで作業することを神様に報告。神司に来ていただきニンガイ(願い)をしました。そしてバラアサガオが根を張っている森へと入ることを阻む、背の高い草を刈り込むことからスタート。竹富島の森の中は、場所によってはクージ(トウヅルモドキ)が壁のように茂って前進できないような場所もあるのですが、ここではバラアサガオの葉が茂っていることもあり、低い背丈の植物が育たず歩きやすくなっていました。バラアサガオのツルをたどり、根元近くの空中で切断。生命力が強いので、ツルが地面に接触して再度根付かないように気をつけます。根元では切断後に爪楊枝タイプの除草剤を打ち込み、徹底的に駆除します。このタイプの除草剤は外来種のギンネムでテストをし、周りの植生に影響が少ないことを確認済み。

最終的には、中間のツルのみがほとんどですが軽トラックの荷台2杯分を回収しました。ツルから復活することを想定し、しばらくは管理しながら乾燥させたのちに処分する予定です。3日後に確認したところ、樹上にしげったバラアサガオの葉がしおれているのが確認できました。これで竹富島らしい植生が戻ってきてくれるはずです。






2020年6月4日

粟とハトムギの収穫

昨年末に植え付けをした粟ですが、あまりにも虫の被害が大きいとのことで急遽早めの収穫。ずっしりと重たくなった穂先を刈り取り、幾本かをまとめて束ねて天日に干します。素人目にはとても綺麗に見えるのですが、虫に食べられた部分が黒くなって全体的にくすんだ色合いになっているとのことでした。除草をしたり、1本1本を手に取り虫を除いたりしてきましたが少し残念な結果になってしまいました。とはいえ出来の良い部分も多くあり、ありがたいことに秋に行われる竹富島最大の祭祀である種子取祭で、奉納される粟として使用してもらえることになりました。また、隣の畑に蒔いていたハトムギも同時期に収穫。こちらも強い雨で倒れたものが多かったのですが、支えを入れる作業などをしたおかげで、結果的には悪くない収穫量でした。こちらは根元から刈り取り、穂先を袋の中でシゴいて実のみを取ります。後ほど風を利用して、細かなゴミと実を分別します。