活動レポート2020年11月期

竹富島地域自然資産財団の環境保全活動をピックアップして紹介します。

2020年11月24日

畑で見つけたホオズキ

畑の未使用部分で雑草が伸びて種子を落としそうになっていたので、大きく育った雑草の除草を実施。竹富島の伝統的な耕作方法を教わるための講師をお願いしている隆一氏に、生えている草の種類や耕作にともなう話などを聞きながら除草しました。雑草のなかにホオズキが多く生えてきているのを見つけ聞いたところ、畑にはホオズキが2種類ほど自然と生えてきており、片方はおそらくセンナリホオズキで、もう片方は昔から竹富島に生えているものだという。隆一氏は昔ながらのホオズキを残そうとしており、雑草として生えてきたこの株たちを育ててタネを採るという。ほかにもパパイヤの苗やフーチバー(ヨモギ)を植え替えたりして残している。


左がセンナリホオズキと思われる品種。右が昔から竹富にあるというホオズキ。昔ながらの方が背丈が小さく、葉の縁は突起が小さくなだらかな形状。果実の被覆のスジが緑で、花弁数と模様は同じだが、その形状や雄しべの色などに違いが見られる。

前回の作業で種蒔きをしたモチ麦が芽吹いていた。久しぶりにまとまった雨があったおかげで、全長10cmほどに成長。

カラスなど動物が食べてフンをすることで、パパイヤの苗が畑のなかに自然発生することがある。植え替えて育ててゆく。

脇にはヘチマやゴーヤなどが植えられる。タネを蒔いた部分に砂を巻くのは、芽吹き促進の効果があるとのこと。

樹木の影のことを島言葉でアマチと呼び、畑に落ちる影を取るために枝葉を切り落とすことを「アマチバライ」をすると言う。日が良く当たる場所と日陰になるところの成長の差は歴然。

2020年11月9日

海浜清掃ツアーの現地調査

 当財団の環境省による補助金事業の採択を受け、その活動のひとつとして実施する「海浜清掃のガイドツアー」の現地下見調査を行いました。参加される方に竹富島の浜辺を散策しながらペットボトルを中心とした海洋ゴミの回収清掃作業を手伝っていただき、同伴するガイドによって、竹富島の自然や伝統、風習についての理解を深めてもらおうという「海浜清掃ツアー」です。
 今回の現地調査は実施人数および実施場所、ツアー時間などについて参考とする目的で実施されました。調査を行ったのは2カ所で、最初は「カイジ浜」から島の南端に向かってのコースで、もう一つは「ニーラン神石」周辺で行われました。
 普段何気なく歩いていると気づかない場所に様々な生き物たちがいました。カニやハゼ、タコなど岩陰に住んでいたり、擬態のために一般の人間では気づかなかったりするのですが、ガイドが解説しながらこれらに対面させてくれることで、発見の小さな感動があります。また、自分だけで散策すると気にも留めない地形が、じつは以前あった送電線のための溝であったり、戦争時のトーチカであったりと、解説によって、様々なエピソードや歴史、意味があって存在している、または今の形になっているということを知ります。すると、それぞれに対する思いが深まり、「特別な時間を過ごした」という満足感を覚えました。
 今後、島の高齢者から、自然や生き物、植物についての様々な言い伝えやエピソード、歴史についてさらに学んでいきます。浜辺を歩きながら皆さんにお話しできるのを楽しみにしています。

わかりにくいですが真ん中にガザミ(ワタリガニ)が鎮座しています。教えてもらわないと見過ごしてしまいます。



タコにヒトデ、小さなカニ、シャコガイなど、歩きながらさまざまな生き物たちに出会います。


午前9時、気温24度、曇り。およそ30分ほどのコースですが、生き物や地形、各スポットごとの解説は興味深くとても短く感じられます。帰りは漂着ゴミを回収しました。

2020年11月6日

西桟橋のゴミ回収

島民より西桟橋にゴミの山ができているとの連絡を受け回収を実施。現場を確認したところ、大型漂着ゴミがまとめられている場所、約4㎡が自然発生的に出来上がっており、そのゴミのひとつであるカゴにペットボトルなどが捨てられ、あたかもゴミ箱のように利用されるようになっていました。まずはペットボトルや缶、弁当箱ゴミなど70ℓ袋に約3袋分を回収し、擬ゴミ箱となっていたカゴも撤去。その後、軽トラックを使用し、漁業用のプラスチックブイ4、大型発泡スチロール浮き2、大型断熱材1などを回収しました。


2020年11月5日

キャンギ苗の育成

島の伝統建築材であるキャンギ(イヌマキ)を今後の世代に伝えていくため、キャンギ育成場を作る事業を進めています。それに先立ち苗木作りを開始し、財団事務所裏に生えているキャンギ根元に落下した実から発芽しているものを集めてポットに植え替えました。現在50本分を確保し、今後も新芽が出てきた場合にポットに植え替え増やしてゆく予定です。

2020年11月5日

フクギ苗の除草と整理

防風林事業などで使用するため、先島ガス社長より譲り受けた苗の残りと昨年植え付けをした種子から発芽した新規苗への日々の水やりと本数管理を実施していますが、雑草が多く生えてしまっていたので除草を行いました。また管理しやすいように大小サイズ順に10本づつの列に並べ替え、譲り受け分と新規発芽分を別々に管理することに。譲り受けた苗の残りは188本で、種子から発芽した新規苗は56本の合計244本。また葉が落ちて幹のみとなってしまているけども、まだ幹が緑色のため様子を見ているものが他に3本。同時に9月に10kgあまり集めたフクギの実の植え付けを実施し、30ポット分ほど植え付けをしました。今後、新たな植林候補地を見つけて植え付けられるまで、元気に育っていってもらいたいものです。


2020年11月2日

ツーリズムEXPOへの参加

竹富島の環境保全を目的として令和元年の9月にスタートした入島料、ご協力くださり本当にありがとうございます。10月29日から11月1日の4日間にわたり、国内最大級の旅行イベント「ツーリズムEXPOジャパン 旅の祭典 in 沖縄」に参加し、財団の保全活動並びに入島料の周知拡大をしてきました。
 財団として今回のようなイベントへの参加は初めてでしたが、コロナウイルス感染への不安から、参加企業や来訪者の縮小が予想される中、旅行会社を中心とした多くの企業と来訪者の方々にアピールすることができました。
 しかし商談では、ほとんどの旅行会社しかもツアーの造成を行う担当者までもが竹富島における入島料について「知らない」という事実に直面し、これまでの周知広報活動がまったく足りていなかったことを思い知らされるのでした。
 お話をした旅行会社のほとんどは、今後作成されるカタログやパンフレットにおいて竹富島の紹介を行う際には必ず「竹富島では環境保全のため、来島される方おひとりにつき300円の入島料収受しています」の一文を明記してもらうことに同意してくださりました。大変ありがたいです。
 2m四方のこじんまりとしたブースですが、すだれや伝統の踊り幕、民具や植物などで装飾し、スタッフも島の伝統的な服装でお迎えするなど、竹富島らしい雰囲気を創り出すことに成功。おかげさまで期間中もっとも賑わったブースのひとつとなりました。