活動レポート2020年12月期

竹富島地域自然資産財団の環境保全活動をピックアップして紹介します。

2020年12月26日

粟と島ニンニクの植え付け

竹富島の祭祀で利用される粟とニンニクの植え付けを行いました。前回の粟の種まきはバラマキで行いましたが、雑草や害虫への対処、収穫のしやすさから今回は文字通り筋に沿って蒔くスジマキとしました。小型耕運機にて小さな畝を作り、それに沿って砂に混ぜた粟の種子を落とします。粟のタネはとても小さいので、白い砂に混ぜることで蒔きやすくなりどこまで蒔いたかもわかりやすくなります。最後にマーニ(クロツグ)と呼ばれるヤシの葉で表面を撫で、うっすらと土が被るようにします。これは昔ながらの方法なのだそうですが、なんだか牛車を曳く水牛の気分でした。ニンニクは粒の小さな島ニンニク。この島で育ったニンニクをタネとして使い、昔からの品種が継承され続けています。先日種まきをしたモチ麦も元気に育って50cmほどの背丈に。合間に生える雑草を手作業で抜きました。また先日植えたキャベツには多くの青虫が付いてしまっていたので、そちらも手で取り除いていきます。







2020年12月22日

漂着ごみリサイクル

同じ竹富町にある鳩間島と初の共同事業を実施しました。鳩間島では海岸に漂着する発泡スチロールを再生してスチロール油としてリサイクルする環境保全活動を実施していますが、今回、当財団の海浜清掃活動で集まった発泡スチロールを鳩間島に送ってリサイクルしてもらいました。通常は石垣島で埋め立て処理されている発泡スチロールを、油という形に変えて資源化。今後も同じ竹富町内で環境保全活動を行う団体として、緊密な連携を取っていきたいと思います。

2020年12月15日

フクギ除草と苗

11月の除草から1カ月。まだそれほど草の背丈は高くないですが、降雨が続いて水やり作業をすることがなかったので、水やりと同時に行なっていたフクギ周りの雑草の手抜きも未実施でした。そのためフクギの苗が雑草に覆われている部分が見られてきていたので除草作業をすることに。草刈機では横向きに這って拡がるシロバナセンダンソウ(竹富方言でムチャラー)などの茎が地表に残ってしまい、すぐに芽が出てきてしまうので今回はフクギ周りを重点的に少し広めの範囲で雑草を手作業で抜きました。同時に種を埋めても長い間芽を出すことがなかった2カ所に、ポットに植えて育てていた苗を植え付け。強く乾燥することのないこの時期ならば、上手く根付いてくれると思います。



2020年12月14日

レタス苗の植え替え

耕作放棄地の再生を行なった畑で作っていた苗床から、広い場所へと植え替えを実施しました。かつては自給自足を主としてきた竹富島の生活では、日常で食べる野菜を育てることも重要な畑の役割でした。今回はレタスとキャベツ、それぞれ約250株と約50株を植え替えました。また、そばに植えられたゴーヤや冬瓜などのツル系植物にはマーニ(クロツグ)の葉っぱを被せました。これはツルを巻きつかせるためで、マーニの硬い葉っぱがしっかりと支えてくれて安定した成長を促してくれます。



2020年12月8日

フクギ・キャンギの苗

防風林の植林や自然素材の家屋への活用といった事業の一環として、フクギとキャンギ(イヌマキ)の苗を育てていますが、先月に苗の並べ替えなどを実施して以降にカラスからの襲撃を受けてしまう状態が続いていました。フクギの新芽を千切られたり、植えたばかりのキャンギ苗をひっくり返されたりで対応に追われました。効果はないだろうなと思いつつも、ペットボトルに水を入れたものを置いておくと被害がなくなりました。ただ食べ物がないのだと理解してくれただけかもしれませんが。カラスに抜かれて元気が無くなった苗が数本あるなか、幹のみとなっていたフクギから新芽が出てくるという良いこともありました。現在のフクギ苗245本。キャンギも新たに10本を追加して60本となりました。



2020年12月1日

茅葺きの見学・体験

竹富島にいくつかある茅葺き(かやぶき)屋根の伝統的建築物のひとつで、家屋としては唯一の茅葺き屋根である「場儀納屋(バギナヤ)」の屋根葺き替え事業を見学・体験させていただきました。竹富島の伝統建築技術のひとつである茅葺ですが、その技術を継承するひとは少ないです。というのも新しい屋根に葺き替えて、長くて15年使用するとのことで茅葺家屋の減少とともに、技術を持った人、経験した人が限られてきてしまうからです。今回は、そんな茅葺作業のなかで、茅の運搬と使用に適した仕上げ作業を手伝わせていただくとともに、伝統的な茅葺方法を見学させてもらいました。


島によって細かい部分で仕上げが異なるそうですが、竹富島では一番下の段では茅の根元を下向きにして、2段目から穂先を下向きにして屋根を葺いていきます。


竹で作った大きな針を使用し、ロープで茅を押さえる竹と屋根の木材を縫い付けるように固定。