活動レポート2021年2月期

竹富島地域自然資産財団の環境保全活動をピックアップして紹介します。

2021年2月18日

ガラシャー襲撃へ対策

耕作地の一部ではゴーヤやシブイ(冬瓜)、ナーベラ(ヘチマ)など、昔から竹富島で食されてきた野菜も育てていますが、まだ大きくならないうちからガラシャー(カラス)に突かれてひとつも収穫できない状態になってしまいました。昔はこれほど襲撃されたことはないそうで、近年は竹富島の耕作地が減っていることから、少ない耕作地に被害が集中しているのではと想像されています。これは害虫も同じで、葉を食べてしまう幼虫や粟を食べてしまうカメムシなどなど、多くの被害がでています。今回はカラスから実をつける作物を守るために、防護網を設置。耕作地の再生や、畑に落ちる影の除去(アマチバライ)を行なったときに切り取った木を柱に、大きな竹を梁として渡して利用しました。竹はトゲ竹という種類で、とても肉厚で強度があります。枝には名前のとおり鋭いトゲがあり、獣避けなどにも使われていたそうです。網はキュウリなどに使用するものですが、カラス除けにはちょうどいい目の大きさ。柱を立てる際に60cm程度の深さの穴を掘ったのですが、なかなかにサンゴ石が多くて苦労しましたが、網とロープ以外は自然のものを活用した防護網が完成しました。とはいえ頭がいいことで知られるカラスですから、まだまだ安心はできません。これからがガラシャーとの知恵くらべです。




2021年2月16日

ホーシミチの清掃

竹富島の玄関といえる港から集落へと続く大通りは、島の昔ながらの呼び方でホーシミチと言います。バスや自転車だったり、徒歩だったり。方法は違えど竹富島を訪れたひとのほぼ全員が通る道で、多くの人を迎え、そして送り出してくれる道です。そんな大切な道ですが周りよりも1段高くなっている場所など、掃除がしづらくゴミが吹き溜まっているところがありました。竹富島を綺麗にしたいとの思いから、元気の良い枝葉をくぐりながゴミ拾いを実施。竹富島の事業所の方も手伝いに来てくれて、90ℓのビニール袋6つ分を集めることができました。協力していただいたみなさん、本当にありがとうございました。


2021年2月16日

粟苗の移し替え

昨年12月末に実施した粟の種まきから1カ月半ほどが過ぎましたが、雨不足のためか結構マダラな発芽となっていた粟畑。種まきで残った砂と混ぜたタネを1箇所にまとめていたところは、なぜか多くの芽が出て茂っていたので、そこから苗を取って畑で芽が出てきていないところに綺麗に植え付けることにしました。10数cmの間隔を空けて優しく根に土をかぶせ、少しの水をかけてあげます。できるだけ雑草も取り除いて綺麗な粟畑になりました。前回の作業から6日しか経っていませんが、大根が芽吹き、麦穂がさらに立派に成長していました。そして昨年の種子取祭の際に、種下ろし儀式で植え付けた粟が収穫間近。畑のほんの一角なので数房しかないですが、一方では新芽が出てきたところで、こちらは収穫が近いという小さな畑のなかで、同じ植物の違う場面が見られるという不思議な状態。暖かなこの地域ならではの光景でしょうか? 最後に紹介するのはスブンナーの雌花。竹富言葉(テードゥンムニ)では頭のことをスブルといい、その形が頭のようだということでスブンまたはスブンナーと呼ばれているのがヒョウタンです。途中がくびれたものでなく、丸いウリのような形の品種。昔はこれを半分に割ってヒシャフジラー(ヒシャク)として使っていたそうです。ちなみにテードゥンムニでは、最後にナーをつけると小さいとか可愛いという意味合いが出てくることが多く、スブンナーは小さなヒョウタンを呼ぶときに使うそうです。






2021年2月10日

ニンジンの間引き

自給自足の生活が根付いていた竹富島の耕作地再生として、祭祀の供物に使用される作物だけでなく、普段の島民の食料となっていた野菜の耕作も学んでいます。粟のように砂に混ぜて蒔いたニンジンの種でしたが、思った以上にカタく(密に)生えてしまい、このままでは成長する広さもなく栄養も不足してしまうということで、適度な苗同士の間隔を保つための間引き作業を実施しました。生育の良い苗を選び、およそ5cmほどの間隔になるように他の芽を取り除いていきます。ついでに雑草も除去。抜いたニンジンの若芽は炒めたりサラダにして食べられるので、講師の隆一氏のツテで島民に美味しくいただいていただきました。また先日に大根などのタネを蒔いた畑では、降雨がまったくなくて芽がでてこないので水やりを実施。はやく芽吹いてとジョウロで水をかけました。隣のモチ麦は穂を出したものが増え、ほぼ全部の麦からツンツンの毛を生やした麦穂がでてきていました。作業の終わりには、隆一さんが大切にしている島ンガナ(二ガナ)も見せてもらいました。竹富島における二ガナの原種だそうで、一般的な二ガナよりも葉が細くて苦味も強いのだとか。ひと口齧らせてもらいましたが、当然ながら苦くて、しばらくは口の中が二ガナ1色。料理次第でとても美味しくなり、そして体にもいいと言うので不思議なものです。




2021年2月7日

瓦ぶき用土の再練り

1月14日に開始した瓦ぶき用の土作り。国の重要文化財である旧與那國家住宅修復工事で使用されるものですが、予想以上に粘土の乾燥が進んでしまい、泥沼表面が乾いてひび割れている状態となってしまいました。沼の底や側面にまでヒビが到達してしまったためか水を流し入れてもしばらくするとなくなってしまうので、再度土を練り返すことにしました。泥沼表面は歩いても沈まないほどに固くなっていましたが、内部はまだネットリと粘土状。水を入れながらスコップで掘り起こしつつ、裸足で踏み込んで混ぜます。ついでに泥沼のフチ部分に盛り土をし、固くて混ぜ込んでいなかった畳の表面をカットしたもので補強。地面より1段高くして水を貯めやすい造りとしました。しかしその後、結局のところ水が少なくなるペースは早いまま。こまめに補水することで対応しています。もう少し混ぜ込んだ藁が熟成されれば、より粘りがあり保水性の高い土に仕上がってくれるのではないかと期待しています。作業の数日後にはカエルが卵を産んで、今では何匹かのオタマジャクシが泳いでいます。




2021年2月3日

耕作地への種まき

かつての竹富島は、その面積のほとんどが畑で高い木などが生い茂ることなく、島の中心部にある集落から海が見えたそうです。そんな広い畑では祭祀に関わる供物となる粟やニンニクはもちろんのこと、日常で食べる野菜や穀物が多く育てられ、自給自足の生活がしっかりと根付いていました。今ではすっかり少なくなってしまった耕作地ですが、様々な作物を育てて竹富の耕作を学ぶことで、昔ながらの竹富の生活が見えてきます。農耕に関する講師をお願いしている前本隆一氏から、そんな畑での生活にまつわるエピソードを聞かせてもらいながら種まきを実施しました。今回は大根やカボチャ、インゲンなど5種類。豆類を植えると後に他の植物がよく生育するということは昔から知られていたそうで、竹富島でも大豆や小豆、落花生などがよく植えられていたそうです。種まきをした後は、しっかりと畑のニンガイ(願い)を行なって豊作を祈ります。前回植え付けたニンニクも元気に芽吹いていました。粟はちょっぴり生えてきたところですが、気の早い麦はすでに穂をつけているものもチラホラ。実りの日が待ち遠しいです。