活動レポート2021年3月期

竹富島地域自然資産財団の環境保全活動をピックアップして紹介します。

2021年3月31日

瓦ぶき用土の再練り

竹富島で国の重要文化財として2007年に登録された旧與那國家住宅。現在その一部の修復工事が行われていて、その瓦ぶきに使用する粘土作りを竹富島の事業所と協働で実施している。半年先の使用を目指して1月14日に実際に土作りを開始し、今回は4度目となる練り込みを行なった。表面が乾かないようにほぼ毎日補水を実施していたため、柔らかい粘土を維持しており、練り返しは以前よりも簡単でした。水を入れながら完全に混ぜ残しがなくなるように、東端から西端に向けて手で作業を実施。土の粘りを高めるための植物繊維として投入していたカヤで、まだ分解されていないものも多く出てきたので一度取り出し、後ほど分散させ混ぜ込みました。小石を取り除きながらの作業で、カゴとみられるプラスチックの大きなゴミも出てきました。土を混ぜ込んでいると太さ7mm程度の多くのミミズを発見。ワラなどの分解を進めてくれるのはよいですが、泥沼の壁に穴を開けて水が早くなくなる要因となっている可能性も否定できません。とはいえ排除するわけにもいかず、継続して補水を行うことで乾燥対策をするしかないようです。



2021年3月30日

フクギ周りの除草

防風林の再生事業の対象である外周路沿いのフクギ植え付け地では1月28日に柵の交換と除草を実施し、それから2カ月が経過しました。水やり時に手作業にてフクギ周りの除草は行なっていましたが、周辺部の雑草の背丈が高くなってきたので草刈機を使用しての除草を行ないました。フクギの生育にそれほど影響を与えないと思われる背の低い芝系などの雑草は残し、成長すると苗を覆ってしまうシロバナセンダンソウや稲系の新芽を除草。背の低い植物により地表が覆われることで、新たな雑草の生育を阻害する効果を狙う方針を以前より作用していますが、一定の成果が見られるので継続して様子を見ていきます。

2021年3月26日

星のや竹富島で小豆撒き

竹富島の伝統を大切にし、竹富島の文化と風景の継承に力を入れている「星のや竹富島」では、敷地内に畑を作り竹富島の伝統耕作物を育てる取り組みを実施しています。当財団と目指すところを多く共有している星のや竹富島とは、普段より様々な情報を共有するとともに、お互いの活動に参加し合うなど協力して竹富島の環境保全を進めていますが、今回は星のや敷地内に作られた畑に、島で昔から育てられている種類の小豆の種まきを実施しました。一般的なサイズの小豆よりも小ぶりな実は、祭祀の際などにお供えされるイイヤチやムチャネーと呼ばれるモチ米と雑穀を混ぜこんだお餅にする際に、潰れにくく程よい歯ごたえで最適なのだとか。およそ2.5m×7mの畑2枚分に約20cm間隔で2粒ずつのタネを植え付け。苗が成長したときにも葉どおしが干渉しにくい幅としました。最後にはススキの葉で作った魔除けであるサン結びを北東に向けて畑に刺し、小豆の豊作を願う祈りを捧げました。


2021年3月15日

コンドイ浜の清掃

竹富島に入島した人が訪れる場所のうち、もっとも人気が高いもののひとつとして挙げられるコンドイビーチ。ここで長時間を過ごし、食事などをする人が多いこともあり、どうしてもゴミの量が増えてしまうところです。ビーチ側は清掃が行き届いているのですが、駐輪場すぐそばの林のなかには多くのゴミが散乱していました。カラスに奪われてここに集まったものも多く、地面の面積よりもゴミの面積が多いような場所も何箇所も見受けられました。今回の作業ではすべてを回収することはできませんでしたが、島内事業所のひとつ友利観光の方や島によく来られる常連さんにも手伝っていただき、2時間のゴミ拾いを実施しました。回収できたゴミは90ℓのビニール袋6つ分。とても天気の良い1日で、すぐそばのコンドイビーチでは水着で浜遊びをする方も。青と白のコントラスト映えるビーチを見ながらの作業はなかなか気持ちの良いものです。




2021年3月11日

苗の雑草除去

暖かい日が続き、雨も適量に降る最近の竹富島。植物が育つにはもってこいで、財団事務所脇で育成しているフクギとキャンギの苗たちのポットも元気に新芽を出してきました。同時に雑草もニョキニョキと伸びてきたので除草作業を実施。先月は集落内などで防風林として植えられるために40本ほどの苗木がお嫁にもらわれていき、少し数が減りました。種を植えたポットからはまだまだ芽が出て来ず、早く出ないかなと待ちぼうけています。



2021年3月6日

粟畑の草抜き

昨年12月末に種まきをした粟が成長するに伴い、そこに生える雑草も当然ながら大きくなります。最近は雨が多く降ったおかげか、雑草の成長が早くて粟を覆うほどの勢いで増えています。つい先日、竹富島で見られる生き物たちで紹介したインキッサー(ルリハコベ)がとくに多く、もはやインキッサー畑と呼べるような状態。このままでは粟が成長できなくなってしまうので、手作業にて抜いていくことにしました。同時に粟が密に生えているところを間引きし、少ないところにはその間引いた苗を植えて整えます。また畑で飛んでいる蝶々も捕獲。インキッサーの花と同じで、可愛いのですが卵を産み付けて作物に害を与えてしまうので駆除する必要があるのです。最後に畑に落ちる影(アマチ)を取り除くアマチバライとして、畑の南側に位置する葉が大きくなる木を切り倒しました。これから様々な植物が急速に成長してくる季節になるので、畑仕事はさらに忙しくなりそうです。そんななか、そろそろ収穫を迎えそうなモチ麦の1部で病気が発生しているようで、穂が伸びているものの子実が入っておらずに茶色くなっているものが見受けられました。さらに病気が広がらないように刈り取って除去するか検討中です。