活動レポート2021年8月期

竹富島地域自然資産財団の環境保全活動をピックアップして紹介します。

2021年8月31日

子供たちと瓦葺き用土

国の重要文化財として2007年に登録された旧與那國家住宅。その瓦ぶき屋根の修復に用いられる土づくりを、竹富小中学校の生徒さんと一緒に行いました。今年1月以来、伝統的な手法に則って行なっている土づくりですが、今回はその仕上げとなります。2つのグループに別れて、旧與那國家住宅や瓦ぶき屋根についてのレクチャーと土踏みを交互に行いました。伝統的な建築技術への理解を深めながら、楽しく土を踏み込んでいきました。子供たちだけでなく先生方の多くにとっても、はじめての体験であったため、最初は戸惑いながら足を入れていましたが、次第に楽しみながら作業を行いました。生徒さんたちは皆、上勢頭理事長による「なぜ竹富はかわらぶきの家となったか」についての話を真剣に聞いていました。今後9月中に瓦ぶき作業が行われることが決まりましたが、学校長や生徒たちからは、瓦ぶき作業もぜひ見学したいとの声が聞かれました。






2021年8月22日

アジラの復活

集落から東のアイヤル浜まで伸びる道には、道に沿って高さおよそ1メー トルのアジラ(石垣)が、数百メートルの長さにわたって築かれています。しかし近年はギンネムを中心とする外来種に覆われて見えなくなっています。アジラは、強い風によって畑の土が飛散するのを防いだり、海への表土流出を防いでサンゴを守ったり、雨水を効率的に地下浸透させる機能を持っています。貴重な文化遺産でもあることから、財団ではその保全を目指していきます。今回は駆除作業の第1回目。草刈り機やチェーンソーなどを使い道沿いにうっそうと茂る外来種植物などを伐採していきました。また同時にウッドチッパーを運び込み、現場で伐採した枝木を粉砕していきました。粉砕されたウッドチップは、しばらく腐敗させた後、肥料として使う予定です。作業したのは30メートルほどの距離でしたが、植物に覆われていたアジラが作業を終えるとはっきり見ることができました。まだまだ先は長いですが、今後継続的に行っていく必要があります。