活動レポート2021年10月期

竹富島地域自然資産財団の環境保全活動をピックアップして紹介します。

2021年10月30日

ピンの植え付け

竹富島の祭祀行事に欠かすことのできない大切な伝統作物である「ピン(島ニンニク)」の植え付けを行いました。一斉に草刈り、すき込みを行ったカンナージ畑の一角に、一段と丁寧に耕し、石を取り除いたピン専用の畑を用意し、そこに島で育てられた種を植え込んでいきました。根の張る部分を間違えずに下にするなど、長年ピンを育ててきた講師、前本氏にならい、深くなりすぎないように植え付けを行いました。竹富島で古くから育てられる島ニンニクは一般的なニンニクと比べてきた小ぶり。風味が凝縮され、ピンダコ(ニンニ クとタコの和え物)などでもで知られ、それぞれの家で独自の味付けが受け継がれ親しまれている。畑の栄養分を吸い上げるニンニクは非常に強く、まわりに少々の雑草が生えても負けることはないと言われるが、今後、数回の除草を行いながら立派なピンを育てていく予定である。

2021年10月26日

全国大会で講演

市民憲章の全国大会が石垣市で開催され、財団の理事が竹富島の自然、景観、文化の保全とその歩みについて講演を行いました。第55回となる全国大会は石垣市民会館大ホールでオンライン開催され、国連で採択されたSDGsの「持続可能性」に着目し、市民憲章運動の活性化と発展、明るく住みよいまちづくりを全国に発信しました。市民憲章とはその自治体に住む住民同士が互いに協力してその文化、自然の理解を深め、後世に継承していくという合意のことです。竹富島では昭和61年(1986年)に「売らない、汚さない、乱さない、壊さない、活かす」という5つの理念をもとにした「竹富島憲章」を制定し、以来、島の文化と自然を守り、住民のために生かしていく活動を続けています。

2021年10月20日

カンナージ畑の草刈り

粟、ニンニク、麦、大豆、緑豆、小豆など、今季も多くの作物を育て、竹富島の伝統農業を学ばせてもらったカンナージ畑で、一斉に草を刈り取りました。来季に向けての畑のリセットともいえますが、今回は「ハンマーナイフモア」という機械を島内の事業者から借りて草刈りを行いました。回転軸に刈刃がぶらぶらと動く状態で取り付けられているため、つるなどの巻き付きがなく、石などの硬いものに当たっても衝撃が逃げて壊れにくい構造になっています。働きぶりは驚きに値するもので、自動で前に進んでいき草を次々に刈り取り、刈り取られた草を細かくチップ状に裁断して敷き詰めていきます。草刈り機では刈り取った草を運んで除去しなければならなりませんが、こちらは掃いたりかき集める必要がないのでとてもラクです。この機械よりも背の高い草も、根元から刈り取って粉々にしていきます。その後、草が刈り取られて平らになった場所を耕運機で深さ10cm程度に耕しましたが、あまり深く掘らないのは、酸素が入りにくくなり微生物による草や根、土の発酵が進まなくなってしまうのを防ぐためです。今後しばらくこの状態のまま放置し、土壌の熟成を待ち、そこでもう一度耕して種まきを行います。